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われらはレギオン3 太陽系最終決戦 [本と雑誌]


われらはレギオン 3: 太陽系最終大戦 (ハヤカワ文庫SF)

われらはレギオン 3: 太陽系最終大戦 (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者: デニス・E・テイラー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2018/10/04
  • メディア: 文庫



今月のSFノルマはデニス・E・テイラー。

あまりに面白いシリーズなので立て続けに読んでおりますが、今回で一応の完結です。

複数の恒星系に進出した複製人間AIのボブ達は、氷河におおわれつつある地球からの人類のエクソダスや異星の知性種族の救出、そして黎明期の知性種族デルタ人との交流など、多岐にわたることに対応しています。

中でも最大の懸案はアザーズ。

昆虫のような社会性を持つ、コミュニケーション不能な破壊と略奪の実を行う星間種族との戦いです。

地球人類との敵対、というか絶滅を決めたアザーズが太陽系に向かうことを警戒しつつ、ボブ達は限られた時間でできうる限りの準備を進めます。

結末ではアザーズとの大決戦が描かれるわけですが…果たしてその結末やいかに。

肉体の制限から解き放たれたボブ達は、寿命を持たなくなったことで、かかわりのある人々やデルタ人などとの関係にも悩むことになります。

そのあたりのシミュレーションや心の動き、あがきのような辺りも非常に人間臭く、面白い展開でした。

素晴らしく壮大で、可能性に満ちた物語でした。

次回作の制作も順調のようですし、期待しておきましょう。
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毒ガス帯 [本と雑誌]


毒ガス帯―チャレンジャー教授シリーズ (創元SF文庫)

毒ガス帯―チャレンジャー教授シリーズ (創元SF文庫)

  • 作者: コナン・ドイル
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1971/02/12
  • メディア: 文庫




今月のSFノルマはサー・アーサー・コナン・ドイル

シャーロックホームズシリーズと並ぶ、ドイルの代表作です。

絶版なのでなかなか読む機会に恵まれませんでしたが、たまさか安価な古書が出ていたので読むことが出来ました。

収録は表題作のほか、3編で、どれも希代のマッドサイエンティスト、チャレンジャー教授が縦横無尽に活躍する物語です。

語り手は主に、彼の友人である新聞記者のまろーんが受け持つのは、ホームズシリーズでワトスンが語り手になる構図に似ていますね。

チャレンジャー教授は、控えめにいって人格破綻者なのですが、その発想と知能は二人知を超えたところがあり、まさに天才となんとやらは紙一重を字で行く変人です。

一方で、彼によくついていく妻には深く思いやりのある、揺るがない愛情を抱いているなど、人間臭いところもあり。

そのあたりのギャップが、読者も、枯野を取り巻く友人たちをひきつける魅力となっているのかもしれません。

表題作は、宇宙のエーテルに含まれる猛毒の霧の中に地球がすっぽりと覆われてしまう、人類滅亡の週末世界を描いた中編。

のっけからとんでもないテーマですが、彼と仲間たちは、勇敢に立ち向かってゆきます。

2編目は「地球の悲鳴」

地球を、巨大な一個の生命であるとみなした教授は、莫大な費用と労力をかけて地表という地球の生皮をはがし、下に生まれた「地球の肉」を一撃して、地表にうごめく細菌である人間の存在を、地球に知らしめようと試みます。

結末は、これまた驚天動地の話となるのですが・・・

最後の一遍は「分解気」

あらゆるものを原子のレベルに分解し、また再構成するという偉大な発明を成し遂げた、教授に勝るとも劣らないマッドサイエンティストと、チャレンジャー教授が対決する物語。これまた刺激に満ちた作品でした。


全編を通して、チャレンジャー教授という強烈な個性がけん引する物語、といった印象です。

文体や語り口などは、同時代のSF作家、ジュール・ヴェルヌにも似ている感じがしましたが、この辺りは時代の特徴なのかもしれません。

事件の奇想天外なアイデアの数々は予想もつかない感じで、当時よくもまあこんなことを考え付いたなあと思う次第。さすがホームズを生み出した作家さんですね。

非常に面白く、探したかいのある一冊でした。

同じく絶版のチャレンジャー教授シリーズ「霧の国」も、ぜひ読みたいですね。




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われらはレギオン2 [本と雑誌]


われらはレギオン2 アザーズとの遭遇 (ハヤカワ文庫SF)

われらはレギオン2 アザーズとの遭遇 (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者: デニス・E・テイラー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2018/07/05
  • メディア: 文庫



今月のSFノルマは先月に引き続きデニス・E・テイラー。

引き続きというか、このシリーズ面白すぎて合い札億とか考えられませんでしたな。

ボブたちの活動も次第に広範囲になり、超高速通信ネットがほぼ行く渡った中でのお話の展開になります。

いろいろトラブルはありつつも、地球人の生き残りたちの絵くそだ明日は順調に推移。

一方でボブ1のデルタ人とのファーストコンタクトには変化があり、次第に始祖のボブはふさぎ込むようになっていきます。

探索範囲が広がるにつれて知的種族とのファーストコンタクトも増えていきますが、一方で1巻で触れられていた敵対型の知性種族、アザーズの脅威が現実のものとなっていきます。

その圧倒的な武力の前になすすべがないようなところで今回は終わるのですが・・・

問題が片付いたらその倍の問題が明らかになる、というのはエンジニアならなじみのある展開ですが、そのあたりこのシリーズは妙にリアリティがありますね。

この辺の展開はホーガンの小説にも似ているといえば似ていますが、味付けはだいぶ違いますね。

ボブたちが事実上の寿命が亡くなった機械的存在と、命に限りのある生身の種族とのやり取りがだんだん世代を重ねるごとにシャレにならなくなっていくあたり、かなり来るものがあります。

この先どうなっていってしまうのか・・・。

一方で、引き続き描かれる宇宙探査のわくわくするような展開も相変わらずなので、やはり面白いですね。

一応、3巻で完結とのことなので、続刊の翻訳が待たれます。

実に楽しい読書でした。
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マンガでわかる #鉱物コレクターズマニュアル [本と雑誌]


マンガでわかる鉱物コレクターズ・マニュアル

マンガでわかる鉱物コレクターズ・マニュアル

  • 作者: いけやま。
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2018/07/25
  • メディア: 単行本



石好き界隈では有名人(?)な、いけやま氏(https://twitter.com/ZeoFluo)渾身の著作です。

僕がよく出かけるミネラルショーや、鉱物好きの”あるある”が沢山書かれている本。

マニュアルとありますが、手引書というよりも、鉱物収集趣味の悲喜こもごもが描かれているエッセイ本、と紹介した方がニュアンスが近いかもしれません。

いけやま氏の実体験に基づく記事ですので、大変具体的で親近感がわく内容で面白かったです。

またマニュアルというだけあって、鉱物収集関連の知識や言葉の開設なども豊富に掲載されています。実際に鉱物収集をしてみた際に直面するワードがほぼ漏れなく紹介されているので、知識としても勉強ンある本です。僕なんかも最近知った言葉や、知らなかった言葉なども載っていたので勉強になりました。

いけやま氏自身による鉱物写真も数多く掲載されており(偏りはありますが)鉱物とは実際どのようなものであるのか、の入門書としてもよくできていると思います。

何より読み物として面白いですので、多少なりとも興味のある方にはお勧めです。

良い本でした。重版されるとよいなあ(笑

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われらはレギオン1 AI探査機集合体 [本と雑誌]


われらはレギオン1 AI探査機集合体 (ハヤカワ文庫SF)

われらはレギオン1 AI探査機集合体 (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者: デニス・E・テイラー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2018/04/04
  • メディア: 文庫



今月のSFノルマはデニス・E・テイラー。たまたまTLに流れてきて興味を持った小説です。

世界の統廃合がなされた未来で、20世紀に死亡した社長兼エンジニア、ロバート(ボブ)・ジョハンスンの人格をコピーして作られたAIが、恒星間探査機の制御AIとして宇宙に旅立つ物語。

高度に発達した3Dプリンタによる自己増殖が可能な探査機として銀河に乗り出すという、壮大な構想が非常に面白かったです。

現代と地続きの上に発達した技術で構成された未来技術の設定など、想像しやすく実感しやすい世界のおかげでリアリティを強く感じるSF設定が秀逸です。

探査機への搭載に向けて行われるボブの訓練の様子や、その過程で描かれる世界情勢などが、物語の背景設定を理解させてくれるお話づくりもよくできていると思います。

1とあるように、とりあえず3作構成で描かれる物語の1冊目ですので今後が楽しみですね。順次発売される続刊も楽しみたいところです。

主人公格となるボブですが、複製の旅に微妙に異なるパーソナリティを獲得していくので案外に多彩なキャラクターで構成される物語も面白かったです。

非常にエキサイティングな読書でした。

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万華鏡 [本と雑誌]


万華鏡 (ブラッドベリ自選傑作集) (創元SF文庫)

万華鏡 (ブラッドベリ自選傑作集) (創元SF文庫)

  • 作者: レイ・ブラッドベリ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/10/20
  • メディア: 文庫



今月の、というか先月のSFノルマはレイ・ブラッドベリ。

先月の退職のごたごたと糸魚川旅行からの怒涛の体調崩しで読めていませんでしたが、ここ二日ぐらいで一気読みしていました。やあ分厚い分厚い、満足の読み応え。

ブラッドベリは長編も好きですが短編の方が好きでして、その作家の自洗短編集ということで楽しく読ませていただきました。

過去に読んだ作品も含まれていますが、編が違うと結構新鮮な気持ちで読めるものですね。

20本以上の短編が納められ、表題作の「万華鏡」も収録されておりますが、まさしく万華鏡のような色とりどりの作品集です。

ジャンルもSFに限らず、ファンタジーからスリラー、詩文に、果ては今でいう伝奇もののような怪奇な作品まで多彩です。

あらためて、この作家の個性を垣間見た気がします。解説にもありましたが、ブラッドベリはジャンルをはみ出した作品を書いてしまう傾向があるので、それを味わうには良い一冊と思いました。

好きな短編は、いくつもありましたが、前にも読んだ「万華鏡」がやはり。

爆発したロケットから放り出され、なすすべもなく宇宙空間へ散っていく宇宙飛行士たちが、通信が途切れるまでの間思い思いに発言するこの作品は、触れることも見ることもできないが声だけが通じるという一種奇妙な舞台設定が面白く、はかなく。

「すばらしき白服」は、ダウンタウンの貧民層の若者たちが、ヴァニラアイスのような純白のスーツを着こなすことにあこがれ、サイズの同じ六人で有り金を出し合い、一着の白スーツを買うというお話。

届かない世界の粋な着こなしにあこがれる彼らのさまは、何か他人事という気がしない奇妙な親近感を覚えるもので、面白かったです。

ほかにも珠玉の作品が納められているので、ぜひご一読ください。

非常に楽しい読書でした。
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アルテミス(下) [本と雑誌]


アルテミス(下) (ハヤカワ文庫SF)

アルテミス(下) (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者: アンディ・ウィアー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2018/01/24
  • メディア: 文庫



今月のSFノルマはアンディ・ウィアー。

現代SF界のシンデレラボーイの新作です。

ほんとは先月読もうと思っていたのですが、先月はホーキング氏の著作を読んだので、今月にもっていきました。

月面に植民が安定化してからの時代。月の2千人の歳社会の底辺で密輸業で生計を立てる女性ジャズが、最後の大一番に打って出る完結編です。

解説にもありましたが、後半戦は前作「火星の人」と同じく、ミッション推敲型のストーリー。

上巻で絶体絶命の状況に陥ったジャズですが、そこはこの作者の描く主人公。最後までへこたれません。

様々な遺恨を乗り越え・・・る努力をして(笑)いろいろな人の力を集めて、月面社会を覆おうとしている裏社会の力を払しょくしようと、一大ミッションに乗り出します。

月に生きる様々なプロフェッショナルの力を結集したミッションは、当初順調に推移しますが、徐々にいろいろなトラブルに見舞われ、どんどん状況が悪化していきます。

そこで試されるのは、時間をかけて建てる対策ではなく、そこにある物を何でも利用して、次々に判断を下すスピード。

リアルの宇宙開発を描く際、毎回語られるのは、この判断を下すスピードですが、そのあたり描かれているのは凄くリアルだと思いました。

ストーリーも、最後の域を持つ科せぬ展開はテンポよく読めて面白かったです。

期待したいのは、作者がこの月の舞台設定を使った続編を書きたいと言っていること。

直接の続編ではないそうですが、この舞台は非常に魅力的ですし、その中で、またジャズに出会える可能性があるなら、楽しみにしていきたいですね。


エンターテインメインとしてのSFとしても面白ろく、ハードSFとしても満足のいく内容でした。またどこかで読み返しましょうかね。
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ホーキング、宇宙を語る [本と雑誌]


ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)

ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)

  • 作者: スティーヴン・W. ホーキング
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1995/04/01
  • メディア: 文庫



SF、というには、フィクション成分は(たぶん、今のところ)ありませんが。

今月のSFノルまは、かのスティーブン・ホーキング博士。

多分、俺が最も尊敬する学者が誰かと聞かれれば彼の名前を上げるのですが、氏の訃報に触れ、そういえばその割に氏の著作を読んでないことに気付き、手に取ってみました。

物理学、量子論、そして氏の代名詞ともいえる、ブラックホールの理論の、その入り口としてあらわされた本書は、随所に氏のユーモアを交えつつ、この世界の成り立ちへの扉を開くカギにあふれていました。

単純に結論を語ったり、最新の論文を紹介するわけではなく、最新の理論に向けて、歴史的な経緯を踏まえながら解き明かしていく語り口は非常に面白かったです。

読んでいて妙にアシモフの文章に似ているなあと感じましたが、それは恐らくホーキング博士のユーモアのなせる業でしょう。僕の好きになる博士はみんな、ユーモアが上手でうれしいです。

歴史を踏まえる、と書いたように、歴史上の学者たちが築き上げてきた理論や法則を負いながら、その組み立てられ方や、発展の歴史を丁寧に描いているあたり、学問は一日にしてならずや、というのをまじまじと感じさせます。

一方で、ニュートンの意外な権威主義などの、歴史上の学者たちの知られていない一面を描いているあたり、親近感を覚えます。歴史上の偉人たちも、結局は人間だったのだなあ、と知る事が出来た面も勉強になりました。

ホーキング博士自身、実に人間臭い人であることもわかりましたし、読んでよかったです。

肝心の理論の方は、まあいいとこ3割ほどしか理解できなかったと思いますが(苦笑)それでもこれだけの多くの学者たちが束になって築き上げてきた理論御さわりをそれだけ知る事が出来たのですから大したものです。

繰り返し読めば、もっと裏界ぐ進むのだなあという印象も受けました。

大変有意義な読書でした。

氏冥福を心から祈りつつ、おそらく事象地平に旅立たれた氏の魂の前途に、幸多からんことをお祈り致します。

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アルテミス(上) [本と雑誌]


アルテミス 上 (ハヤカワ文庫SF)

アルテミス 上 (ハヤカワ文庫SF)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2018/01/25
  • メディア: Kindle版



今週のSFノルマはアンディ・ウィアー。

あの「火星の人」を世に送り出した鬼才の新作でございます。とりあえず今月は上巻で。

今回の舞台は月。

すでに月面への植民が安定して行われており、観光地化されている世界でのお話。

何かと「質量を運ぶ」ことに価値が出る月面ドームで、ポーターとしてやくざな仕事を引き受ける女性、ジャスミン・パシャらが主人公です。

若さゆえの様々な過ちからドロップアウトしてしまった彼女は、多少危ない事にも手を出しながら、いつか憧れのマイホームを手に入れることを夢見て日々仕事に磯損でいます。

そんな彼女が、密輸のお得先である富豪から、とあるビジネスを頼まれたことから、得体のしれない事態の渦に神込まれていく様を描いています。

その仕事というのが、月面の生命線である、巨大な4台の自動ブルドーザーを完膚なきまでに破壊すること。

さまざまな障害から、一見不可能と思われるこの仕事を、彼女は大分いいところまで進めるのですが・・・


上巻ではこの破壊工作がクライマックスになっています。

実際月面での活動や資源などにはかなりリアリティのある展開がなされており、ハードSFとしてかなりの完成度を感じます。

加えて「火星の人」で楽しませてくれた、軽ような一人称の語り口も健在で、大変楽しく読まsていただきました。

ジャスミンは、道徳的な観念はかなりダメですが、ビジネスとなると信用第一、取引は裏切らないという、かなり偏ったキャラクターをしており、そこが妙にリアリティがあって親しみがわきます。

彼女の視点を通して描かれる月面社会の様子や、諸々の新たな文化などは、欲シミュレーションされていると感じましたし、読んでおて面白かったです。


早速下巻を買って来月のSFノルマに備えようと思いますが、上巻でのっぴきならない状況に追われることとなった彼女の行く先がどっちに向かうのか、楽しみですね。
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さあ、気ちがいになりなさい [本と雑誌]


さあ、気ちがいになりなさい (ハヤカワ文庫SF)

さあ、気ちがいになりなさい (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者: フレドリック ブラウン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2016/10/21
  • メディア: 新書



今月のSFノルマはフレドリック・ブラウン。

この作家は長編も好きですが、短編はより好きなので、この短編集も面白かったです。

収録されているのは、SFはもちろん、神話のような話や、奇想天外な逆説ミステリとも言えそうなものまで、ブラウンらしいバリエーション豊かな内容となっています。

またバリエーションだけでなく、ある短編では人類を素晴らしいものとして描いたかと思えば、別の短編では人類を取るに足りないバクテリアのようなものとして描いたりと、価値観のジェットコースターに揺られているかのようなとんでもなさもありました。

表題作の「さあ、気ちがいになりなさい」は、中編と言えるボリュームの作品。

現代のアメリカに、精神のみの転生を果たしたナポレオンが、彼の視点から、彼の末路を語るという筋の話。

精神転生の謎を解き明かす話かとおもいきや、話はあれよあれよと、みるみるスケールの大きな話に展開していき、最後はタイトル通りの台詞で締めくくられるという、ブラウン御大の名調子がさえわたる作品で面白かったです。

他に印象に残ったのは「みどりの星へ」という短編ですね。

宇宙船の事故で、未開の惑星にたった一人残された男が、地球の緑を狂おしく恋焦がれながら救助を待つ話でした。

この世界では、緑の色彩を持つのは、宇宙広と言えども地球しかなく、遭難した惑星でも紫色ばかりの色彩に苦しめられながら、わずかな希望を頼りにサバイバルを続けていくのです。

そんな彼のもとに、奇跡的な偶然から、救助の船がやってくるのですが・・・

なんとも鮮烈な印象を与えられる話でした。


ブラウンの短編はやはり面白いですね。また本を探して読んでみたいです。

良い読書でした。
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