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アルテミス(下) [本と雑誌]


アルテミス(下) (ハヤカワ文庫SF)

アルテミス(下) (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者: アンディ・ウィアー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2018/01/24
  • メディア: 文庫



今月のSFノルマはアンディ・ウィアー。

現代SF界のシンデレラボーイの新作です。

ほんとは先月読もうと思っていたのですが、先月はホーキング氏の著作を読んだので、今月にもっていきました。

月面に植民が安定化してからの時代。月の2千人の歳社会の底辺で密輸業で生計を立てる女性ジャズが、最後の大一番に打って出る完結編です。

解説にもありましたが、後半戦は前作「火星の人」と同じく、ミッション推敲型のストーリー。

上巻で絶体絶命の状況に陥ったジャズですが、そこはこの作者の描く主人公。最後までへこたれません。

様々な遺恨を乗り越え・・・る努力をして(笑)いろいろな人の力を集めて、月面社会を覆おうとしている裏社会の力を払しょくしようと、一大ミッションに乗り出します。

月に生きる様々なプロフェッショナルの力を結集したミッションは、当初順調に推移しますが、徐々にいろいろなトラブルに見舞われ、どんどん状況が悪化していきます。

そこで試されるのは、時間をかけて建てる対策ではなく、そこにある物を何でも利用して、次々に判断を下すスピード。

リアルの宇宙開発を描く際、毎回語られるのは、この判断を下すスピードですが、そのあたり描かれているのは凄くリアルだと思いました。

ストーリーも、最後の域を持つ科せぬ展開はテンポよく読めて面白かったです。

期待したいのは、作者がこの月の舞台設定を使った続編を書きたいと言っていること。

直接の続編ではないそうですが、この舞台は非常に魅力的ですし、その中で、またジャズに出会える可能性があるなら、楽しみにしていきたいですね。


エンターテインメインとしてのSFとしても面白ろく、ハードSFとしても満足のいく内容でした。またどこかで読み返しましょうかね。
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ホーキング、宇宙を語る [本と雑誌]


ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)

ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)

  • 作者: スティーヴン・W. ホーキング
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1995/04/01
  • メディア: 文庫



SF、というには、フィクション成分は(たぶん、今のところ)ありませんが。

今月のSFノルまは、かのスティーブン・ホーキング博士。

多分、俺が最も尊敬する学者が誰かと聞かれれば彼の名前を上げるのですが、氏の訃報に触れ、そういえばその割に氏の著作を読んでないことに気付き、手に取ってみました。

物理学、量子論、そして氏の代名詞ともいえる、ブラックホールの理論の、その入り口としてあらわされた本書は、随所に氏のユーモアを交えつつ、この世界の成り立ちへの扉を開くカギにあふれていました。

単純に結論を語ったり、最新の論文を紹介するわけではなく、最新の理論に向けて、歴史的な経緯を踏まえながら解き明かしていく語り口は非常に面白かったです。

読んでいて妙にアシモフの文章に似ているなあと感じましたが、それは恐らくホーキング博士のユーモアのなせる業でしょう。僕の好きになる博士はみんな、ユーモアが上手でうれしいです。

歴史を踏まえる、と書いたように、歴史上の学者たちが築き上げてきた理論や法則を負いながら、その組み立てられ方や、発展の歴史を丁寧に描いているあたり、学問は一日にしてならずや、というのをまじまじと感じさせます。

一方で、ニュートンの意外な権威主義などの、歴史上の学者たちの知られていない一面を描いているあたり、親近感を覚えます。歴史上の偉人たちも、結局は人間だったのだなあ、と知る事が出来た面も勉強になりました。

ホーキング博士自身、実に人間臭い人であることもわかりましたし、読んでよかったです。

肝心の理論の方は、まあいいとこ3割ほどしか理解できなかったと思いますが(苦笑)それでもこれだけの多くの学者たちが束になって築き上げてきた理論御さわりをそれだけ知る事が出来たのですから大したものです。

繰り返し読めば、もっと裏界ぐ進むのだなあという印象も受けました。

大変有意義な読書でした。

氏冥福を心から祈りつつ、おそらく事象地平に旅立たれた氏の魂の前途に、幸多からんことをお祈り致します。

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アルテミス(上) [本と雑誌]


アルテミス 上 (ハヤカワ文庫SF)

アルテミス 上 (ハヤカワ文庫SF)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2018/01/25
  • メディア: Kindle版



今週のSFノルマはアンディ・ウィアー。

あの「火星の人」を世に送り出した鬼才の新作でございます。とりあえず今月は上巻で。

今回の舞台は月。

すでに月面への植民が安定して行われており、観光地化されている世界でのお話。

何かと「質量を運ぶ」ことに価値が出る月面ドームで、ポーターとしてやくざな仕事を引き受ける女性、ジャスミン・パシャらが主人公です。

若さゆえの様々な過ちからドロップアウトしてしまった彼女は、多少危ない事にも手を出しながら、いつか憧れのマイホームを手に入れることを夢見て日々仕事に磯損でいます。

そんな彼女が、密輸のお得先である富豪から、とあるビジネスを頼まれたことから、得体のしれない事態の渦に神込まれていく様を描いています。

その仕事というのが、月面の生命線である、巨大な4台の自動ブルドーザーを完膚なきまでに破壊すること。

さまざまな障害から、一見不可能と思われるこの仕事を、彼女は大分いいところまで進めるのですが・・・


上巻ではこの破壊工作がクライマックスになっています。

実際月面での活動や資源などにはかなりリアリティのある展開がなされており、ハードSFとしてかなりの完成度を感じます。

加えて「火星の人」で楽しませてくれた、軽ような一人称の語り口も健在で、大変楽しく読まsていただきました。

ジャスミンは、道徳的な観念はかなりダメですが、ビジネスとなると信用第一、取引は裏切らないという、かなり偏ったキャラクターをしており、そこが妙にリアリティがあって親しみがわきます。

彼女の視点を通して描かれる月面社会の様子や、諸々の新たな文化などは、欲シミュレーションされていると感じましたし、読んでおて面白かったです。


早速下巻を買って来月のSFノルマに備えようと思いますが、上巻でのっぴきならない状況に追われることとなった彼女の行く先がどっちに向かうのか、楽しみですね。
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さあ、気ちがいになりなさい [本と雑誌]


さあ、気ちがいになりなさい (ハヤカワ文庫SF)

さあ、気ちがいになりなさい (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者: フレドリック ブラウン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2016/10/21
  • メディア: 新書



今月のSFノルマはフレドリック・ブラウン。

この作家は長編も好きですが、短編はより好きなので、この短編集も面白かったです。

収録されているのは、SFはもちろん、神話のような話や、奇想天外な逆説ミステリとも言えそうなものまで、ブラウンらしいバリエーション豊かな内容となっています。

またバリエーションだけでなく、ある短編では人類を素晴らしいものとして描いたかと思えば、別の短編では人類を取るに足りないバクテリアのようなものとして描いたりと、価値観のジェットコースターに揺られているかのようなとんでもなさもありました。

表題作の「さあ、気ちがいになりなさい」は、中編と言えるボリュームの作品。

現代のアメリカに、精神のみの転生を果たしたナポレオンが、彼の視点から、彼の末路を語るという筋の話。

精神転生の謎を解き明かす話かとおもいきや、話はあれよあれよと、みるみるスケールの大きな話に展開していき、最後はタイトル通りの台詞で締めくくられるという、ブラウン御大の名調子がさえわたる作品で面白かったです。

他に印象に残ったのは「みどりの星へ」という短編ですね。

宇宙船の事故で、未開の惑星にたった一人残された男が、地球の緑を狂おしく恋焦がれながら救助を待つ話でした。

この世界では、緑の色彩を持つのは、宇宙広と言えども地球しかなく、遭難した惑星でも紫色ばかりの色彩に苦しめられながら、わずかな希望を頼りにサバイバルを続けていくのです。

そんな彼のもとに、奇跡的な偶然から、救助の船がやってくるのですが・・・

なんとも鮮烈な印象を与えられる話でした。


ブラウンの短編はやはり面白いですね。また本を探して読んでみたいです。

良い読書でした。
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シカゴ・ブルース [本と雑誌]


シカゴ・ブルース (創元推理文庫 146-15)

シカゴ・ブルース (創元推理文庫 146-15)

  • 作者: フレドリック・ブラウン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1971/01
  • メディア: 文庫



僕が読んだのは、昨年の神田古本まつり(http://tenkamutekinomuichi.blog.so-net.ne.jp/2017-11-03)で仕入れてきました1971年版の初版なので、リンク先の新装版とは違うのですが。

フレドリック・ブラウン御大のミステリ作品。

タイトル通り、犯罪都市シカゴを舞台にした、スリルとサスペンスの読み物です。

主人公は、活版印刷工の見習いとして働いているエド・ハンター青年。

彼の父親が、シカゴの裏路地で、何者かに殴り殺されたところから、物語は始まります。

復讐に燃えたわけでもないですが、彼は自分でもよくわからない衝動に突き動かされて、遠くのサーカスで旅芸人をやっているアム叔父のもとのその晩のうちに向かい、父の死を報告。

アムは、弟であるエドの父の犯人を突き止めるため、エドと共に事件を追い始めるのです。

この物語には、よくあるような名探偵や、スーパーコップのようなヒーローは登場しません。

エドもアム叔父も、アメリカ下層階級で這いずるように生きている、普通の人です。ですが、ハンター家の者、という一言を胸に、猟犬のような執念で事件を追い続けるのです。

それはそれほど長い期間ではありませんでしたが、ごく普通の、朴訥な青年であったエドが、一人前の男として急激に成長する一週間でもありました。

最終的には、ミステリらしく、意外な事件の真相が語られますが、それは決して痛快なものではなく、むしろ後味の悪い、やりきれないものであります。

ですが二人とともに事件を追っていた読者にとっては、其れよりも重要な何かが、この物語には秘められていることに、もはや疑問の余地はないのです。

全編昏く、泥臭さの漂う物語ですが、そこには確かに人の生きざまがあり、命がある、損な物語でした。


面白かったです。良い本でした。
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パルプ [本と雑誌]


パルプ (ちくま文庫)

パルプ (ちくま文庫)

  • 作者: チャールズ ブコウスキー
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2016/06/08
  • メディア: 文庫



チャールズ=ブコウスキーの怪著。

前にツィッターで誰かが呟いていたのに興味を持って読んでみました。

自称スーパー探偵のニッキ・ビレーンのもとに舞い込む奇妙な依頼。

ビレーンは勇気を奮い起こし、解決に臨む意気込みで酒場と競馬場に向かい、有り金をスっては帰ってくる。

何を言っているかよくわからねーとは思うが、俺にもよくわからねえ(笑

そんなむちゃくちゃな小説です。

ビレーンは行ってしまえばどうしようもないクズのチンピラで、歳も40を党にまわった中年のおっさん。頼りにするのは大口径のるがーですがそれすら通じない相手には通じないもんですから、大抵ひどい目にあっては酒を飲んでいるのです。

この作品には、痛快な謎解きや、カッコイイアクションは皆無です。

エンターテインメントとしては正直に疑問を覚える作品です。

ビレーンの元に舞い込む依頼は、死んだはずの作家の身辺調査を依頼する死神や、浮気調査、よくわからない、紅い雀の創作依頼など、多彩ですが、どれ一つとして彼に解決したりはしません。

ですが自分の信じる探偵増にかたくなに固執し、最後の最後までビレーンはビレーンdね在り続けたのは、なんだかひどく人間臭く感じました。


読んでいる途中で、作中の何をやってもうまくいかないビレーンの様子が、僕のリアルの仕事の様子と重なってしまって、辛くて暫く読めない時期がありましたが、先日読み切ったので感想を書いておきます。

題名通り、パルプフィクションの悪い所だけを凝縮した怪作でした。
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虎よ、虎よ! [本と雑誌]


虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫 SF ヘ 1-2)

虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫 SF ヘ 1-2)

  • 作者: アルフレッド・ベスター
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2008/02/22
  • メディア: 文庫



読み終えてから少し間が空いてしまいましたが。

今月のSFノルマは、アルフレッド・ベスター。

SF界の不朽の名作のひとつ、とはいえ一般的には知名度はあまりない作品も多く、これはその一つな気もします。

ジョウント、と呼ばれるテレポート能力が、広く一般に広まった未来の世界。

内惑星連合と外衛星同盟による全面戦争の危機が近づくなかで、主人公のガリー・フォイルは、戦闘簡易より破壊された宇宙船ノーマッドの唯一の生存者として、息も絶え絶えに宇宙を漂流していました。

このまま凍り付いた宇宙空間で死ぬかと思われた彼の視界に、宇宙船ヴォーガの姿が飛び込んできます。

フォイルは必死の努力で何度も何度も救難信号を送りますが、ヴォーガは一瞬停止したのみで、彼を見捨てました。

残されたフォイルの心に燃え上がるのは、絶望の念ではなく、身を焼き焦がすほどの、恐るべき怒りです。

ここから、恐るべき復讐劇が幕を開けるのです。


ストーリーとしては、九死に一生を得たフォイルの、復習にひたむきにまい進する執念と、その彼が知っているはずの、宇宙船ノーマッドの在り処。その積み荷の秘密を知る両政府の高官や富豪、工作員たちの暗躍や闘争です。

テレポートが当たり前となった世界の舞台設定は奇想天外で、基本的に目的地と現在地の座標が分かり、思考することができればどこへでも瞬間移動できる世界での諜報戦のシミュレーションには、ウウムとうならせられるものがあります。

そういった独自の世界を構築しつつ、世界を激しく色濃く描き出すのは、ただただ、フォイルの中に燃え滾る怒りと執念。内なる獣、虎の描写です。

それを視覚化する、どういうわけか決して消すことができなかった、顔面に施された刺青、模様。その恐ろしさが読者の想像力と恐怖心を掻き立てるのがなんとも魅力的でした。

復習に燃えているとはいえ、フォイルはスーパーマンでは決してなく、単なる1宇宙船乗りであるわけですから、その道筋には苦難やどうしようもない運命が何度も降りかかり、何度も捉えられては絶体絶命の危機に陥ります。

そういった、行きつく間もない展開の連続も、物語に勢いがあって面白かったです。

ハードSFとしての舞台設定や考察もまれにみるユニークなものですが、この作品の魅力は、全編を通して描かれる、刺激に満ちたエンターテインメント性じゃないかと思いました。

とても面白い読書でした。



さてこれでまたSFの在庫がなくなってしまいましたね。次は何を読もうか。

何かおすすめのSF小説があれば教えてくだされば幸いです(^^)
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横浜駅SF [本と雑誌]


横浜駅SF (カドカワBOOKS)

横浜駅SF (カドカワBOOKS)

  • 作者: 柞刈湯葉
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2016/12/24
  • メディア: 単行本



今月のSFノルマは柞刈湯葉。

カクヨムで投稿され対象取っちゃったという、いわゆる「なろう系」に分類される…と思うんだがやっぱり毛色が違うなあ。、まあ異色の小説です。

大正時代に開設されて以来、一度も工事が完了せず、常に何かしら工事して拡張を続けている横浜駅が、遂に自己増殖をはじめ、日本の本州全土を覆ってしまった未来が舞台という、パワー溢れる世界観です。

カクヨムには僕も何か書けないかと思って1作上げてすぐけしたこともあり、何か親近感があったのと、SFという題材、何よりおもしろそうだという事で読んでみました。

上記の通り、日本は横浜駅に占拠されており、駅が一つしかないのですでに鉄道は無く、世界は改札の内側であるエキナカと、それ以外のわずかな土地にほぼ二分されています。

読み進めていくと他のJRとかも登場するので世界は広がっていくのですが、基本的にはクローズドの空間で展開されるので、密閉都市型のハードSFのような世界観になりますね。

そもそもの着想のセンスも素晴らしいですが、随所に鉄道ネタやJRネタがちりばめられた親近感の湧く世界の構成力には素直に脱帽いたしました。なんだこのリアリティ。現代東京に住むサラリーマンにはリアルすぎて笑えないあたり、ある意味怖いですね。

題材が題材なのでトンデモ小説亜kと思いきや、もちろんそういう側面もありますが、それよりもかなりの深みと広がりを持ったSF要素がちりばめられており、それと身近な駅ネタが融合する様は、なんというかこれまでに無い読後感を味あわせてくれました。

主人公と言える登場人物はいて、彼を中心に描かれる物語ではありますが、どちらかというと、主人公の目を通してこの独特の世界観を僕ら読者の前に展開してくれる、といった構成の物語です。

そしてその中で生きている人間たちや無機物たちが、なんともいとおしいと感じるお話でした。

怖いもの見たさ半分で読んだ小説ですが、間違いなく面白かったです。

文体が難しくないので、比較的手軽に読めるハードSFと言えるでしょう。お勧めです。

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バロック協奏曲 [本と雑誌]


バロック協奏曲 (1979年) (サンリオSF文庫)

バロック協奏曲 (1979年) (サンリオSF文庫)

  • 作者: アレッホ・カルペンティエール
  • 出版社/メーカー: サンリオ
  • 発売日: 1979/05
  • メディア: 文庫



今月のSFノルマはアレッホ・カルペンティエーレの「バロック協奏曲」

今月のSFノルマ再開ということで。

まあ再開と言いつつのっけからSFじゃないのですが。僕のような新参のSF読みからすると憧れのレーベル、サンリオSF文庫の1冊を入手できたので、これをSF扱いということで読んでいました。

ページ数は200ページにも満たない本ですが、のんびり1種間ぐらい読んでいた気がします。

これまでに読んだことのないタイプの物語で、小説というか、叙述詩というか。演劇の様子を文章に落とし込んだような本でした。

時代ははっきりと明示されておらず、読み始めは中世時代にも思われましたが、読み進めると大航海時代の南米からヨーロッパへの旅路のようでもあり、最後は近代に来ているような気もする、不思議なお話です。

物語の最初は南米で財を成し、銀を有り余るほど持った裕福な人物が、お供の音楽家を連れて欧州に凱旋するような内容です。

その道筋には常に音があり音楽があり、過激があり、騒々しさがあり、活気がありむさぼるような地方の食事があり、

ストーリーを追うというよりも、目まぐるしくあくぁるミュージカルの場面転換を文章で追っているような激しい内容の文章でした。

もう本当に目まぐるしく人物と場面と舞台が入れ替わるので、読んでいて追うのが大変でしたが、理解しがたい文章からも、あふれるような熱気と興奮ばかりは伝わってくるという。

まさに協奏曲といった本で、これは小説として読む形の壮大な楽曲の楽譜なのではという感じでした。

面白かったか面白くなかったかでいえば面白かったのですが、理解できたかという場半分も理解できなかったかなあと思います。これは読み込めば読み込むほど面白くなる本じゃないかなとも思いました。


もう一遍、ノアの箱舟などに代表される、世界中の洪水と箱舟の登場人物が、洪水のさなかに一堂に会して交流するという、世界中の聖書と神話に献花売るような短編が掲載されていて、これが短いながら面白かったです。

自分たちは神に選ばれた救世主だと思っていた賢者たちが、それぞれの神に絵r田ばれただけでありふれていたという流れと、髪の救済のはずの洪水の後、再生した人類が早々に頃居合を始める流れなどは、ものすごい皮肉というか、ブラックユーモアを感じました。


サンリオSF文庫以外では書籍化されていないようなので入手は難しいと思いますが、刺激的な読書でした。読んでいて楽しかったです。
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神田古本まつり&神保町ブックフェスティバル [本と雑誌]

先日より神田で開催されている古本祭り。今日の連休からは神保町ブックフェスティバルと合体して大規模な本のお祭りになっています。

神田古本まつり公式ツィッター:https://twitter.com/kanda_kosho

神保町ブックフェスティバル公式:http://www.kanko-chiyoda.jp/tabid/3936/Default.aspx
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あまりネット界隈の広告に力を入れていないイベントですが、要するに神保町の駅の周りで古本や新刊が舞い踊る、俺らのような活字ジャンキーには夢のようなお祭りです。

昨日の不採用の連絡から、割と本気でへこんでいて、腰が抜けたような状態だったのですが、これじゃいかんと、心の整理をつけるためにも外に出かけるかという感じでお出かけしてまいりました。

まあ、お出かけと言っても、そろそろ切り詰めて行かないと色々不味い状態なので、ほぼ冷やかしのつもりで。

でも少しだけ自分を甘やかして、少しだけお小遣い持っていきました(笑

学生時代、あの辺の予備校に通っていたので土地勘はありましたが、何気にまともに古書店巡りするのは初めてなので、特に下調べとかなしに散歩を楽しむ感じで神保町へ。

古本まつりの方は古書中心に、一部古い玩具や、多分蔵書印なのかな?でっかい石の印鑑などもありました。

古書ってのは探し方知ってる人なら、分類とかの法則を見抜けるのでしょうが、僕のような素人は並んでいるものを端から見ていくぐらいですので、検索効率は悪いです。

ですが見ているだけでも楽しいものですね。

近年、電子化の波で活字離れが騒がれて久しいですが、この催しに出かけてみると、驚くほどの人出が出ていて、みんなマニアですから一度陳列棚の正面に陣取ると、念入りに探すのでなかなか動かないで、いつしか黒山の人だかりに、といった青空店舗もざらでした。

流した経路としては、神保町の駅から郵便局方面に大通り沿いの古書棚を眺めてから、さくら通り、すずらん通りの出店屋台やブックワゴンを眺めていく、といった感じ。

ブックフェスティバルの方は、新刊書籍の安売り中心といった感じ。

神保町といえばカレーの街ということで、屋台では数々の腕自慢のカレー店が自慢の逸品を携えて、盛んに呼び込みをしているので大変活気がありました。もちろんカレー以外のメニューも充実しています。

いいにおいがしてきたところで、おなかも減ったので、せっかくだしどこかカレー店に入って食べるかあ、ということで少し歩いて、牛筋煮込みカレーを見つけて食べたらおいしかったです。辛さもちょうどよく、味も深みがあって、牛筋がトロトロでおいしかったです(^^)さすがカレーの街だなあ。

おなかも膨れたおかげか、戻った青空店舗で良い出会いが。

今回は、一応の目安として、石の写真の本(カイヨワとか見つかるといいなあ)と、ずっとのんびり探している古地図、後は小説と資料本辺りを探すかなというものを持っていたのですが、小説の方でいいものが。

相場よりだいぶ安かったのですが、それでも値が張るのでもう少し歩いて考えるかと一度棚の前を離れ、てくてく歩くと今度は国立科学博物館の石の本が目に留まりました。


鉱物観察ガイド (国立科学博物館叢書)

鉱物観察ガイド (国立科学博物館叢書)

  • 作者: 松原 聰
  • 出版社/メーカー: 東海大学出版会
  • 発売日: 2008/03/01
  • メディア: 大型本



めくった感じ、内容も充実で良い本でしたので、これも頭に置きながら、もう一回りして、例の書棚に戻り、物色。小説と、石の本を両方買うか、少し割合を増やして貴重な小説を1冊買って今うかしばし悩みますが、石の本は新刊でも手に入るということで、絶版の小説の方を買うことにしました。

行の電車、帰りの電車では求人票を熟読して応募を出しながら(今ではモバイルでもできるのですよね)の道行きでしたが、それ自体も次に向かう心の整理にできたので良いお出かけでした。

そうそう、神保町ではこんなのもやっていました。

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開催期間はこんな感じです

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刀剣乱舞好きな人は、押しの刀剣の足跡をなぞる古書を探しながら、まつりの神保町を散歩する休日を過ごすのも、いいかもしれませんね。


さてさて、今回の出会いはこんな感じ。

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僕のような、新参のSF読みにとっては宝石のような、価値と憧れを持つ伝説のレーベル「サンリオSF文庫」から一冊、アレッホ・カルペンティエールの「バロック協奏曲」をお迎えしてきました。

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背表紙がちゃんとサンリオSF文庫です。

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伝説は数々聞いてはいましたが、実物は初めて見ました。しかも自分の手元にあるなんて、夢のようです。大切に読もうと思います。今月のSFノルマ、再開の一冊はこれかなー。

他にバロウズの「ノヴァ急報」と「爆発した切符」もあって、面白そうで大分迷いましたが、ググってみたら、これは4部作ということだそうなので。

いずれ、4冊と出合うことを願いつつ、あえてページ数の少ない、140ページちょっとのこの本にしました。

サンリオSF文庫のサンリオは、あのサンリオです。

昔はかわいいキャラクターグッズだけでなく、出版もしていたのですよー。

もうひとつ、フレドリック・ブラウンの「シカゴ・ブルース」。

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こちらは大好きな作家ですが、新しい版も出ているので。


シカゴ・ブルース (創元推理文庫 146-15)

シカゴ・ブルース (創元推理文庫 146-15)

  • 作者: フレドリック・ブラウン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1971/01
  • メディア: 文庫



単にお買い得品としてw

おかげさまで、合わせてお小遣いの範囲で買えました(^^)

バロック協奏曲は、アンケートはがきやチラシ、補充注文カードも残っていて、帯以外は完品という奇跡の一冊です。前の持ち主から受け継いだ状態で、大事にしないとなあ。

良い散歩になったと思います。

古本屋を覗くのは好きです。ただ近所の商店街にあった古本屋がなくなってからなかなか機会がなく。

今日は出かけて良かったです。楽しかったし、本のにおいに包まれるのはいいですね。

そして帰宅したら、嬉しい贈り物があり。

次のスタートにするエネルギーをもらえました。

今日は、よい一日でした(^^)

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