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コミティア119で出会った面白い本(2) [コミティア]

艦これのイベントやら浅草橋のミネラルショーやらで大分時間が空きましたが、また紹介していこうと思います。

さてはて、今日はどこまで行けるかなと。


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タイトル:そのとき、キミの顔が
サークル:梅皿テクニカー
URL :http://umetech.ko-me.com/

えきあさんのラブコメ漫画です。この方の透明感のある色使いと独特なテンション表情のつけ方は相変わらず好きですねー。
今回は時期がらバレンタインチョコをテーマ、というよりも、その時の男の子、女の子の顔をテーマにした話。つまるところデレ顔が書きたかった話だそうです。
男子側の視点で描く前編と、女子側の視点で描く後編に分かれた構成。男子からは女子は「やたら絡んでくるよくわからないやつ」という認識なので、バレンタインのチョコも意図がよくわかりません。
卒業を控えた年のバレンタインに、思わぬチョコをもらい、そしてチョコを渡した女子の視点である後編にスイッチする、という構成が実に見事です。
読者は話がわかってませんので、男子側の視点で読み始めるのはわかりやすいですし、その結末で転機が訪れて、女子側の視点に切り替わるというのは、読み進める側の心理も計算に入れた面白い作りだと思います。
最後、拘りのデレ顔も実に魅力的でして、素敵な本でした。
今回はティアズマガジンのガイド漫画も担当されてましたので、八面六臂の大活躍と言えますでしょう。
今後も楽しみにさせていただきたいです。


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タイトル:元ヤン 美容室に行く話
サークル:CURL UP
URL :http://www.pixiv.net/member.php?id=2780996

今回はじめましてのサークルさんです。コミティアでは初の新刊だそうで。
内容はタイトル通りです。ド直球嫌いじゃないぜ。
ヤンキーだった女性がフリーターを続けていつの間にか25にもなってしまい、昔つるんでた連中が次々寿リタイアするのに焦りを感じて脱ヤンキーを決意して美容院に行くお話です。
意を決して行った美容院の美容師さんが、実はかつてのヤンキー学生時代に因縁のあるライバル的な女性で、美容院でカットされる側という無防備な状況にあれこれハラハラするお話。
カットの過程でのあれこれに一喜一憂するヤンキーちゃんがおもしろかわいくて楽しい本です。
あとがきによると「美容院で座ってるときって無防備だなー」ってところからできた話だそうで、そこからこんだけ話膨らませるというのはさすがの創作魂ですね。
最後何気に百合っぽいオチになるのが良いアクセントになっていると思います。面白かったです。
商業誌でも活動されているそうです。


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タイトル:ハカセとメイド
サークル:にゃんにゃんにゃん!
URL :http://www.pixiv.net/member.php?id=1167

今回はじめましてのサークルさん。通りがかりに見かけて手に取らせていただきました。
8ページの折本ですが、なかなかにパワーとインパクトのあるマンガでした。
内容はタイトル通りで、ハカセの女性とメイドの子猫(猫なんですがハカセの実験の結果ネコミミ少女になってます)の二人(?)によるいちゃらぶ漫画といっていいでしょう。
人間嫌いで無感情だったハカセが唯一(たぶん)心を開くメイドちゃんにデレデレになるあたりのギャップが面白いですね。
二人のなれそめやハカセの変化などもきちんと描かれていて面白いマンガでした。


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タイトル:MISSING
サークル:HANA
URL :http://www.pixiv.net/member.php?id=761598

お久しぶりのサークルさんです。
小説家の女性とピアニストの女性、同棲中の二人の、ある別れのお話です。
当たり前のような二人の日常の日々、それぞれに大きな転機が生まれ、より輝かしい日が続くと思われたある日に訪れた、ひとつの悲報。
コンサートでウィーンに向かったピアニストの名前が、飛行機事故の乗客者名簿に載っており、混乱、錯乱する小説家。
その彼女の、猛烈な心の動きを描写した様が、一種鬼気迫るものがありまして、ハラハラします。
ピアニストが出かける際に小説家に渡したお祝いの曲を入れたCDの最後に入れられていたメッセージで、彼女がいかに自分を大事に、また感謝していたかがつづられていて。
それがこの突然の別れで、もうどうしたらいいのかわからないという。
このあたりの読者の心へ訴えかける構成はすごいなあと思いました。
元々はボカロCDなどでコミティアに参加し始めた方で、そちらも続けつつ漫画の発表もされています。
就職活動がひと段落しそうな様子なので、また何か描いてくださることを期待しつつ。
良い本でした。


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タイトル:サパロット
サークル:プラテート
URL :http://ameblo.jp/ito-omi/

今回はじめましてのサークルさんです。
ある不登校引きこもりの少年と、タイからの交換留学生の少女のお話。
少女はクラスでめんどくさい仕事を押し付けられる役割になっており、少年の家にプリントを届ける係として家を訪れています。
偶然玄関先で鉢合わせた際、少年が持っていた腐敗物、というかオイルサーディンの発酵しすぎたやつ、すなわちタイの代表的な調味料ナンプラーとして目を付け、少年の家で料理する流れになるのです。
少女は学校での初っ端、打ち解けようとして調理実習で作ったタイ料理が、調味料が足りずに失敗したせいからか、打ち解けきれずにいるようで、そのためにナンプラーを必要としたというのが二人のきっかけになるわけですね。
なんだかんだで元々は押しが強くてアグレッシブな彼女は、その後数回、少年の家に押しかけて料理しています。多感な時期の二人は、お互いに面白おかしく憎まれ口を聞きながらも、少女の料理を楽しんでいきます。
やがて彼女がタイに帰り、少年は日本に残された彼女の最後の料理を味わうわけですが。
そして数年後、というエピローグもある、ほろ苦いような、わずかに甘いような、青春の1ページを描いた作品です。
元々は2013年ごろに発表した作品だそうで、作者の方はこれをコミティアの出張編集部に持ち込んだのがデビューのきっかけになったそうです。
ただそのときに、料理描写が「美味しそうじゃない」と言われたのが気にかかっており、以降なるべく料理の出てこない漫画を描いていたそうですが、そろそろいいかということで今回書き下ろしを苦敢えて本書を完成、コミティアに出展されたそうです。
あとがきでこれらのくだりを読んでいると、なんともコミティアに集う作家らしい方だなあという思いとともに、応援したい気持ちもわいてきました。
さて漫画の方はというと、デビューのきっかけになったというだけあって面白く。淡々とした引きこもり男子の受け答えと、その淡々とした様子にむしろ安心感を覚えているような少女の心理描写がユニークで面白かったです。
漫画としてもよくできていて面白いなと思いましたし、数年の時を超えて書き下ろされた結末が実に青春物らしくてよかったです。
商業単行本はこちらだそうです。

人魚姫の水族館 1 (ヤングアニマルコミックス)

人魚姫の水族館 1 (ヤングアニマルコミックス)

  • 作者: 伊藤正臣
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2016/11/29
  • メディア: コミック




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タイトル:煙は道連れ 世は恋慕 1
サークル:海々月
URL :https://twitter.com/gkshi0

今回はじめましてのサークルさんです。ツィッターで流れてきた「今回ヒロインの表情が最高にかわいく書けた」とのコメントから手に取らせていただきました。確かにかわいかったです(笑)
タイトルは恋慕とありますが、中身を読んでみるとラブコメという話ではなく、どちらかというとクールな内容です。
主人公はロングの髪の優等生タイプの少女。だいぶモテるようで、男子から何度か告白されていますが一通り断っており、めんどくさいと感じている子です。
周りから求められるままに優等生を演じていますが、その外面と内面との乖離に漠然と行方のなさを感じているようです。
そんな時、告白を聞き流していた屋上で、給水塔の上でタバコを吸っている女生徒がきになり、声をかけてみます。
促されて登った給水塔の上からは、これまでに感じたことのなかった空の広さが感じられて衝撃を受けます。
傍らでタバコをくゆらせている彼女が気になり、売り言葉に買い言葉で一本吸うことになるのですが…
未成年の喫煙はダメ・ゼッタイと強調されているように、タブーなことを描いては居ますが、描きたかったのが、たばこを交えた百合だったということで、ある意味必然かもしれません。
漫画も面白く、表紙と裏表紙の構図に仕掛けがあるのも面白いと思いました。


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タイトル:水銀の雨
     紫陽花の葬列(偽)
サークル:ケイブルグラムHB
URL :http://www.pixiv.net/member.php?id=55811

今回はじめましてのサークルさんです。
「水銀の雨」は、学校での百合。盲目の少女と、彼女を傍らで支える快活な人気者タイプの少女のお話。
快活な少女はクラスの人気者だったころに、そのころはまだ盲目ではなかった少女に興味を持ち、仲良くなりますが、それがクラスの皆のネタ身を買って、不幸な結末を迎えます。
それゆえに盲目になった少女と、快活な少女の結びつきは強固になりましたが、どこか罪の意識を感じさせる、いびつな物でもある描き方が印象的ですね。
「紫陽花の葬列(偽)」の方は、プレ版のコピー誌。
ある人形師が、復讐のために作っている人形に魂が宿っており、それと対話するという構図。
人形師の女性はある女性に愛を抱いていたが、相手は親しいとは思っても同性愛を受容する人ではなかったので切り捨てられてしまい、その復讐を使っているというお話です。
プレ版ということで結末までは描かれていませんが、鬼気迫る人形師の描写がなかなかにイン粗油的でした。
どちらも普段読まないような、ダークサイドの百合なのが新鮮でした。完成版も読んでみたいですねえ。



今日のところはここまでで。

また紹介していきます。