宇宙の戦士 [本と雑誌]
今月のSFノルマはロバート・A・ハインライン。不朽の名作、宇宙の戦士です。
幾多の栄枯盛衰を経て、過酷な銀次経験と教練を終えた市民い飲み、市民権が与えられる、ある意味軍事国家となった地球人類。権力を持つ人間を一定のふるいにかけることで発展した社会が、虫のような以西知的種族との恒星間戦争を戦い続けている世界が舞台です。
主人公はリコ。若気の至りで市民権を得るため軍に志願し、戦闘降下を専門に行う機動歩兵部隊の兵士として育成され、降下し、戦っていく半生が克明に描かれています。
この作品をもっとも特徴づけていると言われるのが、起動歩兵の身にまとうパワードスーツであり、まとった人間を恐るべき殺りく兵器に変えるこのガジェットに、SFファンのみならず、多くのクリエーターやその卵たちに強烈な印象を与え、影響を残しました。
まあ前置きはさておき。この辺の話は方々でさんざん言われていることですし。
なんやかやで興味を持ちつつ、まだ読んでなかったので読んでみましたが、いやはや、おもしろいですね。
SF小説、軍隊小説、スペースオペラとして大変に面白く、エンターテインメントとして一種の完成形にあるのではとすら思ってしまいました。
小説に先立って、公開されたときに映画「スターシップトゥルーパーズ」を見ていましたが、当時は面白いと思いつつ原作からは乖離してるんじゃないかと勝手に思っていたのですが、原作読んでみてあれはかなり原典に忠実に描かれた映画なんだと認識を改めました。
原作を読んだ今なら、あの映画を倍楽しめるんじゃないかと思っています。
語り口がリコの一人称なので、見えてる視界はリコの芽や価値観を通したものに限定されるのですが、読んでいてその限界を感じないほどの世界の広がりを感じることができます。
この辺は読者の想像力を喚起するのがうまいのでしょうが、うーん、ハインライン凄いなあと。
パワードスーツや、同僚の機動歩兵の力強さと信頼、その裏付け。
バグの脅威と恐怖、だがしかし全く勝てない相手ではないぞという、一方的にやられてなるもんかという、人間のしぶとさ。
そこにいちいち実体感があり、信念があり、それゆえに引き込まれる面白さがあります。
沢山の人がこの作品に影響されるのもうなづける気がしますね。
非常に面白い本でした。あー面白かったー。
2017-01-23 16:46
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